組事務所新設、大阪の半分NG 改正府条例22日施行

大阪府暴排条例改正のイメージ
大阪府暴排条例改正のイメージ

暴力団事務所の新設禁止区域を拡大する大阪府の改正暴力団排除条例(暴排条例)が22日、施行される。新たに住居や商業目的で使われている地域を禁止区域に追加。府の総面積の約半分が規制対象になり、大阪府警によると禁止区域の比率は全国で最大という。特定抗争指定暴力団の山口組と神戸山口組の対立が続く中、発砲事件などの標的となりやすい事務所の市街地での新設を防ぎ、府民の安全を守る狙いだ。

現行の暴排条例では、学校などの保護対象施設から200メートル以内の区域で事務所の開設や運営が禁止されている。

改正条例では、都市計画法が定める13の用途地域のうち、「工業専用地域」以外の「住居系」や「商業系」などに指定されている12の地域で事務所の新設を禁止する。これに伴い府内の総面積の約47%、大阪市内の約85%が規制範囲となる。違反した場合は撤去が命じられ、従わなければ罰則の対象になる。

都市計画法の用途地域ごとに禁止区域を定める条例は、すでに神奈川県や兵庫県、石川県など8県で施行されている。さらに12月には福岡県でも新たに施行される予定だ。このうち、大阪府のように禁止区域が12の用途地域に及ぶのは、石川県のみ。石川県に比べ、大阪府は住宅地や商業地の比率が高く、禁止区域の比率も全国最大となる。

大阪府の条例改正の背景にあるのは、平成27年の山口組分裂以来続く暴力団同士の抗争だ。府警によると、分裂後に府内で発生した抗争事件は20件。このうちほぼ半分にあたる11件が、トラックが突っ込むなど事務所が標的となる事件だった。また、兵庫県内では暴力団事務所付近で発砲事件がたびたび発生しており、今後府内でも同様の事件が起きて府民が巻き込まれる懸念があった。

府公安委員会は暴力団対策法に基づき、活動を制限する「警戒区域」に大阪市と豊中市を定めていたが、一部の組織が区域外に事務所を移転する動きを見せていた。また、抗争が終結するなどして特定抗争指定暴力団の指定が外れれば、警戒区域の対象からも外れてしまう。条例改正によって、警戒区域外の事務所の新設を規制できる。

一方、今回拡大される禁止区域には複数の暴力団事務所が含まれているが、規制の対象は事務所の新設に限られ、既存の事務所には適用されない。府警幹部は「府内では2025年大阪・関西万博の開催などに伴って大規模事業が予定されており、より治安の強化が求められる。国や府と連携し、暴力団排除に向けてさらなる対策に力を入れたい」としている。