東芝、3社に分割検討 企業価値最大化狙う

東芝本社が入るビル近くに掲げられたロゴマーク=東京都港区
東芝本社が入るビル近くに掲げられたロゴマーク=東京都港区

東芝がグループで手がける事業をインフラ、デバイス、半導体メモリーの各分野に集約して3つの会社に分割し、それぞれを上場させる案を検討していることが8日、分かった。2年後をめどに実現を目指す。成長戦略や収益構造が近い事業同士を集めて企業価値を最大化する狙い。12日の取締役会で正式に決め、中期経営計画に盛り込む方向。

国内の大企業が、会社全体を完全に分割するのは異例だ。事業を振り分ける3分野のうち、半導体メモリーは約4割を出資するキオクシアホールディングスの株式保有会社を想定している。現在の東芝の株主には、新たにできる3社の株式がそれぞれ割り当てられる見通しだ。

東芝が会社分割に踏み切る方向なのは、単独事業の価値の合計よりも全体の企業価値が低く評価される「コングロマリット・ディスカウント」という現象を避けるためだ。同社のように異なる分野の事業を多く抱える複合企業は、各事業が補完し合うことで全体の業績の安定や相乗効果が見込める一方、経営資源が分散し資本効率が下がると指摘されてきた。

会社分割は株主が各事業の価値を判断しやすくなるうえ、個々の会社の価値を高めることができれば、経営陣と対立する「物言う株主」と呼ばれる投資ファンドに保有株の売却を促す効果も期待できる。

東芝は株式の非公開化も検討しているが、会社分割が企業価値の最大化につながると判断しているもようだ。