鍵山「びっくり」 SP7位から大逆転

男子で優勝した鍵山優真のフリー=トリノ(共同)
男子で優勝した鍵山優真のフリー=トリノ(共同)

フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第3戦、イタリア大会は、男子シングルスでショートプログラム(SP)7位の鍵山優真(オリエンタルバイオ・星槎)がフリーで1位となり、逆転優勝した。

最後のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を決めると、男子の鍵山は思わず笑みをこぼした。演技終盤に向けて力強く加速。滑り切った後は氷上で何度もガッツポーズした。フリーで自己ベストの197・49点をマーク。7位と出遅れたSPから一気に頂点へと駆け上がった。「びっくりしている。優勝できたことはうれしい」と喜んだ。

安全策をとった。SPの結果を受け、今季から新たに取り組んでいる4回転ループの回避を決めた。4回転ジャンプを2種類3本の構成で挑み、完璧にまとめた。昨季の世界選手権で出した自己ベスト(190・81点)を6・68点上回り、「いい演技ができてよかった」と安堵(あんど)した。

SPからの気持ちの切り替えは難しかったという。「あんなにボロボロだったことはないので、どう立ち直ればいいんだろうと考えていた」。朝の公式練習後、父の正和コーチから「立場とか成績とか関係なく、練習してきたことを思い切りやるだけ」と言われて吹っ切れた。「一から挑戦者」として臨み、SP終了時点で17・36点あったトップとの差をひっくり返した。

海外でのGPシリーズを初めて制し、12月のGPファイナル進出にも大きな弾みをつけた。次戦のGP第5戦フランス杯(11月19、20日、グルノーブル)に向け、「できることを一つ一つ練習して安定性を高めて、いい演技ができたら」と意気込んだ。(久保まりな)