主張

鳥インフル 官民挙げて防疫対策急げ

致死性の高い高病原性鳥インフルエンザウイルスが、韓国の野鳥から確認された。渡り鳥を介して国内にウイルスが持ち込まれる可能性がある。農林水産省は都道府県に対し、防疫対策の徹底を図るなど厳重な警戒を呼び掛けた。

環境省も韓国での発生を受け、野鳥警戒レベルを3段階のうち通常の「1」から「2」に引き上げ、野鳥の検査体制などを強化している。

高病原性鳥インフルは感染が拡大するのも早く、発生すれば甚大な被害が予測される。病気が発生してからでは遅い。養鶏農家は、渡り鳥が大陸から飛来する秋から冬に備え、施設の衛生管理を見直しておく必要がある。

農水省によると、韓国中西部忠清南道の天安市で1日、捕獲された野鳥のオシドリから高病原性鳥インフルが確認された。確認は今季初で、地理的に近い日本へのウイルスの侵入が懸念される。各自治体は養鶏農家への注意喚起を行い、感染防止に全力を挙げてもらいたい。

国内では昨年11月、3季ぶりに香川県で感染が確認されて以降、今年3月にかけて千葉県など18県52事例に感染が拡大した。

警戒レベルを最も高い「3」に引き上げたが、殺処分数は1シーズンで過去最悪となる987万羽に上った。これを繰り返してはならない。

野鳥はエサを求めて鶏舎に侵入する。養鶏農家には野生動物の侵入を防ぐ防鳥ネットの整備、作業服や長靴の交換、手洗いの徹底、消石灰の散布や消毒など施設の衛生管理の徹底が求められる。

昨季の感染拡大をきっかけに農水省が全国の養鶏場などを対象に行った飼養衛生管理基準に関する自主点検では、約1万4000件のうち1割ほどに不備が見つかった。まずはこの是正が急がれる。また、感染に備えて殺処分した養鶏の焼却地や埋却地の事前確保も欠かせない。

国は昨季の感染拡大を踏まえ、10月1日から、飼養衛生管理基準を含む改正家畜伝染病予防法施行規則を施行した。大規模農場では鶏舎ごとに飼養衛生管理者を置くことが柱だ。

農家任せでは感染防止に限界がある。国や自治体は養鶏農家と緊密に連携し、早期発見、通報の徹底を指導するなど、共に対策を講じていかねばならない。