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文庫 『夜中の電話 父・井上ひさし最後の言葉』

著者は、平成22年に死去した作家、井上ひさしの三女で、父から託された劇団「こまつ座」の社長。その著者に療養中の父から毎晩のように電話があり、劇団経営から演劇論、人生訓など77の言葉が伝えられた。

「おしゃべりな人間には気をつけろ」「笑いというのは財産である」「当たり前の日常が奇蹟(きせき)」…。著者が「私の心の聖書」という数々の言葉の真意と背景が端正な文章でつづられる。

文庫化で新章「父との思い出」を加筆。没後10年を経て父への深まる思いが胸に迫るとともに、無性にこまつ座の芝居が見たくなる。(井上麻矢著/集英社文庫・594円)