リモート会議で肌ケア意識 コロナ禍でも伸びる男性化粧品市場

男性向けの化粧品市場が拡大している。新型コロナウイルス感染拡大の影響で外出機会が減り、国内の化粧品市場全体は低迷する一方で、働き方の変化が追い風となって男性化粧品の市場は堅調に成長。リモート会議で自分の顔を見る機会ができたことで、肌のケアや、よりよく見せることを意識する人が増えたようだ。商機とみるメーカーは、スキンケアやメーク用品などの新商品を相次いで投入している。

マンダムは10月、新シリーズ「ギャツビー ザ デザイナー」の18品を発売した。洗顔料やヘアワックスだけでなく、にきびやくまを目立ちにくくさせるクリーム、目の輪郭を強調するアイライナー、眉を整えるアイブローなどのメーク用品が含まれている。

同社は「『男性がメークするなんて』という垣根は低くなっており、選択肢を示したい」(商品企画担当者)考え。販路も量販店ではなく、自社通販サイトや一部雑貨チェーンに限定して特別感を演出する。

資生堂も3月に男性用ブランド「SHISEIDO MEN」をリニューアルした。こちらもスキンケア商品だけでなく、メーク用品もそろえた。いずれも高価格帯だが、ブランド担当者によると、7700円の美容液の販売が発売開始直後の2カ月間はリニューアル前の6倍に伸びるなど好調。東京・銀座の直営店にはカウンセリングで来店する男性客もいるという。

続々と新商品が打ち出される背景には、市場の拡大がある。調査会社インテージによると、新型コロナによる外出控えが影響し、昨年の国内化粧品市場は推計で前年比11%減の9315億円。一方、近年、洗顔料や化粧水、乳液などをスキンケア用品を中心に増加を続けてきた男性化粧品市場は昨年も同4%増の373億円と堅調に成長した。

今年1~9月も昨年を上回るペースで推移する。追い風になっているのが、コロナによる働き方の変化。インテージの前田彩アナリストは「オンライン会議の画面上で自分の顔を見る機会が増え、肌のケアに関心を持つ層が増えた」と指摘。朝や夜くらいしか鏡を見る習慣がなかった層が、肌荒れや老化に気付くきっかけになったという。

このほか、臭いケアの意識も高まっており、ロート製薬の臭い対策ブランド「デ・オウ」は3~8月の春夏シーズンで前年同期比7・6%増。男性化粧品市場は幅広く成長しそうだ。

メーカーからは韓流男性アイドルの人気や会員制交流サイト(SNS)の普及も市場拡大の一因になったという見方もある。前田氏は美容意識の高まりでもともと伸びしろがあったとし、「スキンケア用品などは使用を始めれば習慣化する。男性の化粧品市場は今後も堅調に推移していくだろう」と話している。(岡本祐大)