春高バレー

群馬県予選は男子が明和県央、女子は健大高崎

【明和県央-桐生商】第1セット、明和県央・新井奏音のスパイクがさく裂した
【明和県央-桐生商】第1セット、明和県央・新井奏音のスパイクがさく裂した

「春の高校バレー」として行われる第74回全日本バレーボール高等学校選手権大会県予選会(県バレーボール協会、産経新聞社など主催)は最終日の6日、ALSOKぐんまアリーナ(前橋市関根町)で準決勝と決勝を行い、男子は明和県央が、女子は健大高崎が優勝した。明和県央は桐生商との攻防戦を2-0で制し、健大高崎はフルセットの末、西邑楽を2-1で下した。優勝は明和県央が6年ぶり2回目、健大高崎は6年ぶり5回目。両校は来年1月5日から東京体育館(東京都渋谷区)で開催される全国大会に県代表として出場する。県予選男女決勝の模様は7日午後7時半から群馬テレビで放映される。


【男子】

▽準決勝

明和県央 2 25-18 0 高崎工

27-25

桐生商  2 23-25 1 高  崎

25-23

25-20

▽決勝

明和県央 2 25-14 0 桐生商

25-13

【男子戦評】前橋商、高崎と上位のシード2校を破って決勝に駒を進め旋風を起こした桐生商だったが、今年3回目の対戦となる第1シードの明和県央を倒せなかった。

第1セット序盤、先制する明和県央に桐生商も2年生エース鈴木がスパイクで応戦した。しかし県央の力強いサーブと多彩な攻撃の前に点差を広げられ、落とすと、第2セットはサーブの狙いを変えるなど攻撃に変化をつけた。だが県央は新井のサービスエースや堤の打点の高いスパイクで応じ、寄せ付けない。桐生商は鈴木が時間差攻撃も見せたものの及ばなかった。

〇明和県央・山本圭一監督

「選手は、泥臭く拾ってつないでエースにボールを集めるという県央のバレーをしっかりやり切ってくれホッとしている。本戦に向けてもまだまだ伸びていくと思う」

○明和県央・新井奏音(かなと)主将

「これまでの練習はつらかったが、それが実力につながり自分たちの力で勝ててうれしい。全国に通用するチームが目標なので、さらに全員で練習を重ね全国で通用するバレーができるようがんばる」

「全国で通用するバレーを」と話した明和県央の新井奏音主将
「全国で通用するバレーを」と話した明和県央の新井奏音主将

【この人】■新井奏音「緊張感持ち、楽しくできた」

「決勝戦だけでなく今大会は緊張感を持ちながら、楽しくバレーができた」-会心の笑みをみせた。

初戦から決勝までの3試合、1セットも落とすことはなかった。今年6月の高校総体県予選優勝に次ぐ全国への切符獲得で、「全国で通用するチーム」という目標に一歩近づいた。

もともとセッターだったが、高校総体予選前にアタッカーにコンバートされた。「全員でつないでエース・堤巧光に託すのが自分たちのバレーだが、堤の負担を少なくするのが狙い」と理解する。それでも、中学時代はエースを務めていたことから「決めなくてはいけない時、我慢しなくてはいけない時はわかっている」と強調。「堤をサポートするのがメインだけれど、自分も目立つようがんばる」と言い切る。

主将としては「笑顔で楽しく」を言い続けてきた。山本圭一監督は「常に下級生に声をかけ、チームの雰囲気を大切にしてくれている」と評価する。22人の部員のうち、3年生は3人だけ。「ライバルでありながら、何物にも代えがたい仲間」という。

高校総体では予選を突破、決勝トーナメント初戦で敗退した。だから春高バレーでは「楽しい試合と2勝以上」が目標だ。(椎名高志)

【健大高崎-西邑楽】フルセットの末、優勝を決めて喜びを爆発させる健大高崎の選手たち=ALSOKぐんまアリーナ
【健大高崎-西邑楽】フルセットの末、優勝を決めて喜びを爆発させる健大高崎の選手たち=ALSOKぐんまアリーナ


【女子】

▽準決勝

健大高崎 2 25-14 0 伊勢崎商

25-13

西邑楽  2 26-24 1高崎商大付

19-25

25-23

▽決勝

健大高崎 2 26-28 1  西邑楽

25-17

25-20

【女子戦評】5月の関東大会県予選決勝と同じ顔合わせとなった女子決勝戦は、1、2年生中心ながら地力をつけた健大高崎が2-1で西邑楽を破り、フルセットで敗れた5月の借りを返した。

両軍エースがスパイクを決め一進一退の第1セットは終盤、健大高崎にミスが出て西邑楽が先取。気を引き締めた健大高崎は第2セット序盤から竹内、遠藤、高草木の2年生トリオがスパイクを重ねて終始リードし1-1に。勝負の第3セット、中盤に健大高崎がじわじわと点差を広げ、終盤は竹内にボールを集め、粘る西邑楽を突き放した。

〇健大高崎・佐々木雄司監督

「1、2年生中心の若いチームで『強気に行け』と送り出したが、セットを先取され緊張したところを3年生たちがバックアップしてくれた。全国では若さを前面に戦いたい」

〇健大高崎・田村玲奈主将

「コートに立った3年は私だけでしたが、出られない3年生たちがスタンドからもいろいろサポートしてくれた。そうやって元気と力強さをつけてきたチーム。全国でも勝ちたい」

「全国でも勝ちたい」と話す健大高崎の田村玲奈主将
「全国でも勝ちたい」と話す健大高崎の田村玲奈主将

【この人】■田村玲奈主将「チームの要『監督を全国へ』」

「うちのコートには1人だけ、大人がいる」。佐々木雄司監督が豪語し、ピンチになると、必ず投入するのが148センチのリベロ、田村だ。

左右、中央どこからでも強烈なスパイクを繰り出す自慢の攻撃力も、若い1、2年生のため、何かにつまずくと意外ともろい。この日も第1セットを奪われ浮足立つと、第2セット後半から投入され、「ここ、集中」。ひと際響く声で後輩たちに呼びかけ、背中をたたき、握手までして、気持ちを落ち着かせていく。

「苦しくなったら私を見て」。元なでしこジャパンの澤穂希さんと同じ名言を自信を持って言い放つ。その存在感は苦しかった過去にある。入学直前に左ひざ前十字靭帯(じんたい)を断裂し、入部はしたものの今大会まで満足に出場できなかった。「3年の春高の予選には絶対出て、監督を全国に連れていく」と言い続けた。

教室でも私生活でも率先して行動する、ごく自然なキャプテンシーを持つ。今も身体は満足でないため出場時間は限られるが、「玲奈が出たら負けない」(佐々木監督)は、チームの合言葉になっている。

「振り返れば大変なことばかりでした。でも乗り越えられて本当によかった」。強気のキャプテンの目が少し潤んだ。(風間正人)