ソウルからヨボセヨ

韓国軍は頭でアタマが痛い

南北軍事境界線近くにある展望台から双眼鏡で北朝鮮側をうかがう韓国軍の兵士=2017年12月27日、韓国・坡州市(松本健吾撮影)
南北軍事境界線近くにある展望台から双眼鏡で北朝鮮側をうかがう韓国軍の兵士=2017年12月27日、韓国・坡州市(松本健吾撮影)

趣味の渓流釣りで南北境界線に近い山間部によく出かける。軍基地が多いので部隊の移動にもよく出くわす。先日、訓練帰りの武装部隊が休憩している風景を目撃したが、ヘルメットを脱いだ若い兵士たちの頭を見ると丸刈りはもちろん短いスポーツ刈りもない。

さすがに長髪はいなかったが、街で見かけてもおかしくないような普通の若者のヘアスタイルで、最前線の兵士という雰囲気ではなかった。何でも民主化といって、軍隊でも若い兵士の機嫌を損なわないよう気を使っているというわけだ。

ところが国防省はさらに一歩進んで将校など幹部と一般兵士のヘアスタイルの差を無くすという。

この結果、兵士たちも幹部と同様、もっと髪を伸ばして左右に分けられるようになる。兵士たちから「軍隊での階級によるヘアスタイル差別は人権問題だ」とする訴えが多く、国家人権委員会などの改善勧告を受けてのことというが、ただ陸海空3軍とは別組織になっている精鋭・海兵隊だけは最も短く刈り上げた通称「上陸突撃型」のヘアスタイルを今後も維持するとか。

韓国軍のこうした配慮と苦労の背景には普通の若者を義務として強制入隊させる徴兵制がある。そこで近年、志願兵制への転換論も出ているが、これもヘアスタイルが嫌だと志願者は集まらない?

(黒田勝弘)