中国で台湾政策を担う国務院(政府)台湾事務弁公室は5日、台湾の蘇貞昌(そ・ていしょう)行政院長(首相に相当)と游錫堃(ゆう・しゃくこん)立法院長(国会議長)、呉釗燮(ご・しょうしょう)外交部長(外相)らを対象に中国訪問を禁じるなどの制裁措置を取ると発表した。
3人を「台湾独立勢力」と非難した。台湾が米国や欧州と接近していることに強く反発した形で、中台関係がさらに緊張しそうだ。中国が台湾の政権幹部を名指しで制裁対象にするのは異例。1990年代の台湾民主化以降では初めてとみられる。
弁公室は報道官談話を発表し、蘇氏ら3人が中国との対立をあおっていると批判。「台湾独立」勢力に対し生涯にわたって「刑事責任を追及する」とも警告した。制裁の根拠として3人が「頑迷な台湾独立分子」のリストに入ったことを挙げているが、リストの詳細は明らかにしていない。(共同)