中韓などへ輸出増期待 RCEPで「果実」取れるか

萩生田光一経済産業相
萩生田光一経済産業相

日中韓や東南アジア諸国連合(ASEAN)など15カ国が参加する地域的な包括的経済連携(RCEP)協定の来年1月1日の発効が決定したことで、将来的な関税撤廃による自動車用重要部品や農産品の輸出増など、経済の押上げ効果に期待が高まる。日本との取引も多い中国や韓国も加盟し、広くアジアをカバーする貿易協定であることも大きい。日本としては、参加国の中で主導権を握りつつ、経済効果を高められるかが課題となる。

「発効の確定を歓迎する。日本企業がRCEPから最大限の利益を得られるよう、周知をしっかりしていきたい」。萩生田光一経済産業相は今月5日の閣議後記者会見で、発効確定を受けてこう述べた。

RCEPが発効すると、輸出に関しては、関税撤廃率が参加15カ国全体で約91%(品目ベース)に上り、特に中国や韓国への輸出では、自動車用の重要部品などを中心に関税が撤廃される。中国に輸出する電気自動車(EV)向けリチウムイオン畜電池の場合、素材の一部にかかる6%の関税が段階的に下がり、発効16年目に撤廃される運びだ。

一方、日本に輸入される品目では、紹興酒とマッコリの関税は現在1リットル当たり42・4円だが、段階的に下げ、21年目に撤廃。小売価格も一定程度下がることが期待できる。中国からの輸入品が多いマツタケも3%の関税を段階的に下げ、11年目になくす。農産物の重要5項目(コメ、麦、牛肉・豚肉、乳製品、甘味資源作物)は関税の削減、撤廃の対象外とするなど、国内の農林水産業を保護する。

このほかにも、知的財産の保護をはじめ、電子商取引の促進や消費者保護の規定を設けるなど、幅広い分野のルールも整備する。

RCEPの始動により、政府試算では、日本の実質国内総生産(GDP)が約15兆円押し上げられ、日本やオーストラリアが参加する環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の約8兆円の2倍に相当するなど、インパクトも大きい。日本がいかに多くの「果実」を取れるかに期待が集まる。

(那須慎一)