朝晴れエッセー

見合い相手・11月6日

朝起きると台所のテーブルに食事が用意してあった。

昨日、見合い相手を連れてきて家に泊めたことを思い出した。

飯は自分で作るのが当たり前のくらしで、違和感があったがとにかくいただいて片付けていると、「何をなさっているのですか」と昨日の女性がせまってきた。

「ごちそうさまでした、片付けます」と言うと、「それは私がやりますから」と茶碗を取り上げられた。

それでは風呂掃除でもと風呂場に行くと、もう掃除が終わりそうな気配で、ならば便所掃除なら文句も言うまいとブラシでこすり始めると、「そんなことは、私がやりますから」と言うので、仕方なくもう一度寝ることにした。

目が覚めると、随分昔の夢を見たものと気が付いた。

隣には、夢の女性が口をあけていびきをかいて寝ている。

朝の日も高くなってきたようで、日差しが目に入る。

今日は、プラスチックを捨てる日で、ついでにゴミ箱を洗い、キッチンの排水口の臭いも気になっていたので掃除することを思い出した。

朝食は、トーストにバターと蜂蜜を塗って、農家のばあちゃんから買ったキャベツを千切りして卵を炒めると、コーヒーのドリップも終わっていて、沸かした牛乳と半分ずつのカフェオーレが完了した。

女房のあいていた口も閉じたころかと起こしに行って、老後の日常が始まるのです。

稲月正太郎 74 新潟市中央区