産油国、コロナ再拡大リスクに警戒 追加増産に動かず 原油価格は高止まり継続か

サウジアラビア・アブカイクにある国営サウジアラムコの石油施設(ロイター)
サウジアラビア・アブカイクにある国営サウジアラムコの石油施設(ロイター)

主要産油国でつくる「OPECプラス」は4日の閣僚級会合で、焦点となっていた12月の原油の追加増産を見送った。原油価格の高騰が世界経済の回復を妨げかねないと懸念する日米などの消費国からは増産ペースの加速を求める声が上がっていたが、原油需要に大きな影響を及ぼす新型コロナウイルスの感染再拡大リスクへの警戒感からOPECプラスは動かなかった。

4日のニューヨーク原油先物相場は、OPECプラス閣僚級会合の結果を受けて利益確定売りに押され、指標となる米国産標準油種(WTI)12月渡しが前日比2・05ドル安の1バレル=78・81ドルで取引を終えた。追加増産の見送りは最近の主要産油国側の発言で示唆されていたため、市場の想定の範囲内の結果と受け止められた。終値で80ドルを下回ったのは、10月8日以来約1カ月ぶりとなる。

「世界の原油需要はまだ(新型コロナの)デルタ株からのプレッシャーを受けている」。OPEC非加盟国を主導するロシアのノバク副首相は4日の記者会見で、10月に欧州で石油製品の需要減の兆候がみられたとした上でこう述べた。

新型コロナはワクチン接種の進展で抑制されてきているが、収束したわけではない。サウジアラビアなど主要産油国の間では、感染が再拡大して原油需要の回復が鈍り原油価格が急落するリスクへの懸念が根強くあり、日米やインドといった消費国が期待する追加増産には慎重姿勢を崩さなかった。

加えて、毎月日量40万バレルずつの減産縮小(事実上の増産)という現行のOPECプラスの生産計画を続ける場合でも、来年には世界的に供給が需要を上回る供給過剰となり在庫が積み上がるとの観測もあり、追加増産に応じにくかった。

北半球で暖房用のエネルギー需要が高まる冬場に向かう中で原油の供給不足感が改めて意識されれば、原油価格は高止まりが続き、日本を含む消費国の経済活動には逆風となる。年内の原油価格の動向について、日本総合研究所の松田健太郎副主任研究員は「少なくとも足元の水準で高止まりする」と指摘し、WTIは1バレル=75~85ドルの間で推移するとの見方を示した。(森田晶宏)