米、ロシア系ハッカー集団「ダークサイド」に懸賞金11億円

米国務省は4日、米国で今年5月に石油パイプラインを標的としたサイバー攻撃を仕掛けたロシア系ハッカー集団「ダークサイド」の中心人物の身元や居場所の特定につながる情報に最大で1千万ドル(約11億3千万円)の懸賞金を支払うと発表した。同省のプライス報道官は声明で、懸賞金は「サイバー犯罪から被害者を守るための取り組みを示すものだ」と強調した。

ロシア国内に拠点を置くとされるダークサイドは5月上旬、米石油供給大手コロニアル・パイプラインに対し、システムを乗っ取って「身代金」を要求するコンピューターウイルス「ランサムウェア」による攻撃を仕掛け、同社の油送管を6日間にわたり操業停止に追い込んだ。これを受けて米東海岸ではガソリンの買いだめや在庫切れが相次ぐなど混乱が拡大した。

サイバー攻撃を受けたコロニアル・パイプラインの施設=5月(ロイター)
サイバー攻撃を受けたコロニアル・パイプラインの施設=5月(ロイター)

バイデン政権は「露政府が犯行に関与した証拠はない」としつつ、再三にわたって露政府に取り締まりを要求。サイバー攻撃を「国家安全保障上の脅威」と位置付けて対策の強化に乗り出していた。バイデン政権には今回の懸賞金発表で、ダークサイドそのものにダメージを与えるとともに、露政府への圧力を強める狙いがあるとみられる。

国務省はまた、国籍を問わずダークサイドへの参加を企てる人物の逮捕につながる情報に500万ドルの懸賞金を支払うとも発表。ハッカー集団が国境横断的につながることへの対策に力を入れる姿勢を示した。

ロシアをめぐっては、2016年の米大統領選で民主党候補だったクリントン元国務長官側のメールを盗み取って内部告発サイト「ウィキリークス」で暴露したり、交流サイト(SNS)上でクリントン氏に不利な投稿を大量に拡散したりするなど、サイバー活動による他国への干渉を展開しているとみられている。(ワシントン 大内清)