土屋太鳳「出演作見て初めて泣いた」 アニメ映画で声優

「この映画からはすごくパワーをもらった」と話す土屋太鳳=東京都渋谷区(石井健撮影)
「この映画からはすごくパワーをもらった」と話す土屋太鳳=東京都渋谷区(石井健撮影)

公開中のアニメーション映画「アイの歌声を聴かせて」(原作・監督・脚本、吉浦康裕)に声の演技で出演している土屋太鳳(たお、26)に話を聞いた。「自身の出演作を見て初めて泣いた」などと、この映画に寄せる格別な思いを明かす。

土屋が演じるのは、高校生のシオン。同じクラスのサトミを「幸せにしたい」と言って突然歌いだすなど、とっぴな行動を繰り返す。実は、シオンは試験的に作られたヒト型のAI(人工知能)で、その行動にも理由があった。一見、若者向けだが、人の思いの深さを描いて大人の観客も大いに泣ける。

声の演技は初めてではないが、「本来なら声優さんが活躍すべき」と土屋は謙虚だ。「人間に近いものとして作られたけど人間ではないシオンと、俳優であって声優ではない自分が重なった」と打ち明ける。

この映画では歌も4曲披露している。ディズニー映画の主題歌のように美しく、壮大な旋律を歌いこなしている。

だが、「歌は苦手だった」と意外なことを言う。昨年、ミュージカルの主役として東京の帝国劇場などひのき舞台に立っていたはずだが…。

実は、小学生の頃、声がかすれる声帯の病気に悩まされ、歌うことにはコンプレックスをもち続けていた。

だが、「レッスンを受けることで克服できるのではないか」と考え、あえてミュージカルに挑んだ。「できなかったら、女優はやめる」。不退転の決意だった。

この映画の歌は、ちょうどミュージカルの前後に録音した。エンドロールで流れる堂々たる歌声を聴けば、土屋が見事に苦手を克服したことが分かる。

「私、自分が出た作品を見て、初めて泣きました」と明かす。

デビューは10歳。「女優として生きていられることは奇跡のよう」と語る。後輩も増えたので、「私の経験を生かして彼らの手助けをしたい」と自分の会社をつくったという。

「太鳳ちゃん、幸せ?」。AIのシオンは、映画の中で「サトミ、幸せ?」というセリフを繰り返すが、実は自身もファンからしばしば、そういう言葉をかけられるのだという。何事にも懸命に取り組む土屋へのいたわりだ。「この映画は、ファンの皆さんへの私からの返答でもあります。ありがとうって」

福原遥、工藤阿須加(あすか)らが共演。(石井健)

東京・新宿ピカデリー、大阪ステーションシティシネマなどで全国公開中。1時間48分。