税金の無駄2108億円 検査院、令和2年度報告

森田祐司会計検査院長(左)より令和2年度決算検査報告書を受け取る岸田文雄首相=5日午前、首相官邸(矢島康弘撮影)
森田祐司会計検査院長(左)より令和2年度決算検査報告書を受け取る岸田文雄首相=5日午前、首相官邸(矢島康弘撮影)

会計検査院は5日、官庁や政府出資法人を調べた令和2年度決算検査報告を岸田文雄首相に提出した。税金の無駄遣いを指摘したり、制度改善の所見を示したりしたのは210件、総額2108億7231万円で、件数は比較可能な平成6年度以降で最少。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、調査官が各省庁などに出向いて調べる「実地検査」が十分にできなかったという。

新型コロナ関連事業の検査では、国が調達した布製マスク約2億8700万枚が、今年3月時点で約8300万枚(約115億円相当)が配布されずに倉庫で保管されていたことが判明。昨年8月~今年3月の保管費は約6億円に上っているとした。

厚生労働省が導入した接触確認アプリ「COCOA(ココア)」についても検査。動作確認テストの把握や受注業者の修理費請求の検証に問題があるとして、検査院が厚労省に適切に実施するよう改善を求めた。

法令違反や不適切な予算執行と認定した「不当事項」は157件(指摘金額66億3301万円)。省庁別の指摘金額は、財務省の1604億円が最多。次いで農林水産省の228億円だった。

検査院によると、今年1月以降、実地検査は緊急事態宣言が出されていた期間はすべて中止。実地検査の実施率は前年よりも5%減少した。検査院は「実地検査ができない分、証拠書類の確認やオンラインでの関係者からの聴取に時間を使って検査した」としている。