就活リサーチ

コロナ禍で財布に優しい就職戦線に?

就職活動に費用がいくらかかったのか。毎年、就活を終えた大学・大学院生らに調査を行っています。新型コロナウイルス下で2度目の就活となった今年も、大きな変化が見られました。

交通費がぐっと減少

今年10月に調査した令和4年卒業予定の大学生らの就活費用の平均は6万1212円。昨年(3年卒)は9万7535円で、平成21年の調査開始から初めて10万円台を割り驚きましたが、今年はさらなる大幅減でした。

なぜこれほど急減したのでしょうか。少し詳しく見てみましょう。

就活費用には、リクルートスーツやシャツ、かばんなどの身支度代や、就活対策本の購入費、履歴書とそれに貼る証明写真代など、実にさまざまなものが含まれます。中でも、最も大きな出費が交通費。例年は全費用の半分近くを占め、6万円程度でしたが、コロナ禍を境に大きく減少。全体を引き下げたのです。

今年は交通費の平均が1万4370円でした。昨年の3万6128円よりもさらに下がりました。

今や企業の8割以上が会社説明会をオンラインで実施しており、面接では約7割の企業がオンライン方式を取り入れています。学生は企業を訪問することなく就活を進めることが可能になり、最終面接までオンラインで完結する企業も珍しくなくなっています。

もちろん、感染対策に気を配り対面で実施する企業もありますが、足を運ぶ企業数が減り、交通費が大幅に抑えられたのです。

学生からは「オンラインがメインで、交通費はほとんどかからなかった」「外出だと食事も外で取るだろうから、かなり節約できていると思う」など、オンライン化を歓迎する声が多数聞かれました。

デジタル化に対応も

リクルートスーツなど身支度の費用はどうでしょう。今回調査では2万4567円でした。コロナ禍前の元年調査(2年卒)の3万6375円と比べ1万円以上減りましたが、交通費ほどではありません。

自宅からとはいえ、画面越しにスーツで面接に臨むケースが多いからでしょう。ただ、靴はそれほど擦り減らず、シャツの枚数も少なく済んで、その分を減額できたと考えられます。

一方、オンライン面接のために、「通信環境や設備にかなり費用をかけた」「リング形の照明器具などを購入した」など、設備投資をした学生もいました。

たった2年で半減した就活費用。今後もこの水準が続くのか気になります。

企業はオンライン活用のメリットを感じる一方で、できれば対面の機会もしっかり持ちたいと考えています。コロナ禍の収束状況にもよりますが、来年以降は対面での活動比率が増える可能性があります。

慌てて費用を用立てるといったことがないように、早めに備えておくとよさそうです。

(キャリタスリサーチ 武井房子)