袴田事件弁護団が鑑定書 「再審開始確実にする証拠」

袴田巌さん(左から2人目)。右隣は姉の秀子さん(財満朝則撮影)
袴田巌さん(左から2人目)。右隣は姉の秀子さん(財満朝則撮影)

昭和41年に静岡県で一家4人が殺害された強盗殺人事件で、死刑が確定し再審請求していた元プロボクサー、袴田巌さん(85)の差し戻し審で、弁護団は5日、事件から1年2カ月後に現場のみそタンクから見つかった犯行時の着衣とされる5点の衣類の血痕について、「みその塩分などで血液中の成分が変化し、赤みが残ることはない」とする鑑定書を東京高裁に提出したと明らかにした。提出は1日付。弁護団は「再審開始を確実にする決定的な証拠だ」としている。

確定判決で有力な有罪の証拠となった5点の衣類は、袴田さんが事件直後に麻袋に入れてみそタンク内に隠したとされ、赤みの残る血痕があった。弁護団によると、弱酸性で塩分濃度約10%となるみそ漬けの環境下では、血液中の赤血球に含まれるヘモグロビンが漏れ出して分解などの化学反応が起き、数日から数週間で赤みが消えることが新たに分かったという。

弁護団は「衣類が1年以上みそ漬けされていたのであれば、赤みは消えるはずだ」と指摘。「発見直前に袴田さん以外の何者かが入れたことは明らかだ」とし、捏造(ねつぞう)された証拠だと改めて主張した。