サンライト帳

九州スピリット

ラフカディオ・ハーンはかつて松江市に居住していた。現在は小泉八雲旧居(国史跡)が残る
ラフカディオ・ハーンはかつて松江市に居住していた。現在は小泉八雲旧居(国史跡)が残る

ジャーナリストで作家だったラフカディオ・ハーン(日本名小泉八雲)は明治24年から3年間、熊本の第五高等学校で英語教師をした。五高を去るに当たり「極東の将来」と題し最後の講演した ▼その中で、東洋と西洋の生活様式を比較。「生き残る最適者は自然と共存できる者」と指摘、日本の急速な西洋化に警鐘を鳴らした。さらに将来、偉大な国になるかどうかは「九州(熊本)スピリットである素朴、善良、質素なものを愛し無用な贅沢(ぜいたく)と浪費を憎む心を、持ち続けるかどうかだ」と結論づけた ▼百年以上の時を経て過剰な消費による地球環境の破壊、温暖化が大問題となり、ハーンの忠告がよみがえる。近代日本の出発点だった九州スピリット、いま一度味わってみる価値がありそうだ ▼縁あって取材現場に復帰。コロナ禍という豪雨の中「九州学」を楽しませてもらいながら1年半、最後のコラムとなった。読者の皆様、取材に協力していただいた方々にあらためためて感謝を申し上げます。(永尾和夫)