東リの工場で「偽装請負」認定、直接雇用認める初の判断 大阪高裁

大阪地裁=大阪市北区
大阪地裁=大阪市北区

大手住宅建材メーカー「東リ」(兵庫県伊丹市)の伊丹工場で業務請負企業の従業員として働いていた男性5人が、実態は東リ側の指揮命令を受ける違法な「偽装請負」だったとして地位確認などを求めた訴訟の控訴審判決が4日、大阪高裁であった。清水響裁判長は男性らの訴えを棄却した1審神戸地裁判決を取り消し、「偽装請負の状態にあった」と認定した。

判決はまた、労働者派遣法の「直接雇用の申し込みみなし規定」に基づき、東リ側と男性らの間で直接労働契約の成立を認め、賃金の支払いも命じた。平成27年10月施行の法改正で新設されたこの規定は、雇用の安定を図るため、企業が偽装請負状態で働かせていた場合は労働契約の申し込みをしたものとみなし、労働者が望めば原則として直接雇用される制度。弁護団によると、この規定による労働契約の成立を認める司法判断は全国で初めて。

判決などによると、男性らは約20年にわたり伊丹工場で業務請負の形態で勤務。ただ、日常的に東リ側から具体的な指示などがあったことから「請負としての実態がなかったことは明らか」とし、東リ側は違法な状態を認識しながら、派遣法などの規制適用を逃れるため継続していたと認定した。