鑑賞眼

浅利演出事務所「ユタと不思議な仲間たち」〝ひとは生きるに値する〟

「ユタと不思議な仲間たち」(浅利演出事務所提供、友澤綾乃撮影)
「ユタと不思議な仲間たち」(浅利演出事務所提供、友澤綾乃撮影)

ヤマセが吹くと東北地方は冷害に見舞われる。昔は凶作、飢餓、間引きという不幸な連鎖の中で、命を奪われた子供たちも少なくなかっただろう。座敷わらしは生きることが叶わなかった子供たちの霊だ。

舞台上で、座敷わらしたちが南部弁で明るく歌う「ワダワダアゲロジャガガイ」。標準語に直せば「私だ。私だ。開けてくれ、お母さん」という意味。暗くなるまで外で元気に遊んでいた子供が、母親を呼びながら戸を叩く姿が浮かぶ。本作には、東北地方に残る哀しい記憶も刻まれている。

10月22日~11月14日、東京都港区の自由劇場。(水沼啓子)

公演評「鑑賞眼」は毎週木曜日正午にアップします。