伊方原発3号機の運転差し止め認めず 広島地裁

四国電力伊方原発3号機=愛媛県伊方町
四国電力伊方原発3号機=愛媛県伊方町

四国電力伊方(いかた)原発3号機(愛媛県伊方町)について広島、愛媛両県の住民7人が運転差し止めを求めた仮処分申し立てで、広島地裁(吉岡茂之裁判長)は4日、住民側の申し立てを退けた。

争点は、耐震設計の目安となる地震の揺れ(基準地震動)への評価だった。住民側は、地震動が1千ガルを超える地震が国内で相次ぎ観測されているのに、四国電が定めた650ガルは低すぎて安全性が担保されないと指摘。また、南海トラフ巨大地震が起きた場合に181ガルとした想定も不合理だと訴えた。四国電側は、原発立地地域の地盤などの特性を踏まえた設定で、原子力規制委員会も妥当と評価しており合理性があると反論していた。

3号機をめぐっては、平成29年と令和2年に広島高裁の即時抗告審が、基準地震動の算定や約130キロ離れた熊本県・阿蘇カルデラの火山リスクの評価が不十分だとして、運転差し止めを認める仮処分決定を出した。一方、その後の異議審で決定はともに覆り、運転を認めている。

伊方原発は四国電が所有する唯一の原発。福島第1原発事故後、設置が義務付けられたテロ対策施設が完成し、10月の再稼働を予定していたが、宿直勤務中の職員が無断外出して保安規定を一時的に満たしていなかった問題などが判明し、再稼働は延期されている。