地球温暖化対策を先導する欧州で、原発再評価の動きが出ている。2050年に温室効果ガス排出を「実質ゼロ」とする目標に向け、「原発は必要」という世論が広がり、次世代原発の開発競争も激しくなってきた。11年の東京電力福島第1原発事故後の脱原発の流れは変化しつつある。(コペンハーゲン 三井美奈)
次世代は「海に浮かぶ小型炉」
原発のない国、デンマークに世界の注目を集める企業がある。「浮かぶ原発」を開発中のシーボルグ社だ。全長100~300メートルの船に小型炉を搭載し、海上に設置する計画で、量産化を目指している。