米イラン協議、29日再開 米、時間稼ぎにいら立ち

バイデン米大統領(ロイター=共同)
バイデン米大統領(ロイター=共同)

【ワシントン=大内清】米国務省のプライス報道官は3日、イラン核合意の修復に向けた米国とイランの間接協議を含む当事国会合が29日にウィーンで再開されると明らかにした。実際に再開されれば協議が中断された6月以来。イランで8月に発足した反米保守強硬派のライシ政権とは最初の協議となる。バイデン米政権は、トランプ前政権が一方的に離脱した核合意への復帰を目指す考えに変化はないとしているが、全面的な制裁解除を求めるイランとの隔たりは大きく、協議の難航は必至だ。

協議をめぐっては、新たにイランの交渉トップとなったバゲリ外務次官が10月27日に、11月末までの再開を表明。仲介役の欧州連合(EU)側と日程などの調整を進めていた。バイデン政権はマレー・イラン担当特使を現地に派遣する。

バイデン政権はこのところ、ライシ政権が協議再開への態度を明確にしない一方で核合意の内容から逸脱した核開発を加速させていることにいらだちを募らせてきた。ブリンケン国務長官は10月13日に行われたイスラエルのラピド外相との会談で、協議が中断のまま不調に終わった場合は「別の選択肢」をとる検討を始めたと言明。「時間稼ぎ」は許さないとの姿勢を示しイラン側を揺さぶった。

バイデン政権が早期の協議再開を望む背景には、米国による制裁を回避する形で中国などがイランとの原油取引を続けていることや、世界的な原油高により、対イラン制裁の効果が薄れているとの事情がある。ライシ政権下で米国の制裁にも耐えられる経済体制の構築が進めば、制裁解除と引き換えにイランの核開発を大幅に制限するという核合意の基本的な枠組みが意味を失う恐れもある。

一方、ライシ政権にとってこうした状況は、米国側からより多くの譲歩を引き出す好機。イランは、そもそも核合意が機能不全に陥っているのは、一方的に離脱した米国に非があるからだと認識しているだけに、再開後の協議で米・イランが歩み寄るのは困難だとの見方が強い。