青い海が茶色に 沖縄で軽石被害拡大 関東などにも接近か

古宇利島に向けて漂流する軽石=沖縄県今帰仁村の古宇利大橋
古宇利島に向けて漂流する軽石=沖縄県今帰仁村の古宇利大橋

日本列島を北上か

軽石は、1千キロ以上離れた小笠原諸島の海底火山「福徳岡ノ場」で8月13日から始まった噴火により発生したとみられ、約2カ月かけて漂着した。

沖縄県のほか鹿児島県の奄美大島や与論島などでも被害が拡大している。

軽石は波でこすれて小さくなり、やがて海底に沈むが、消失するまでどれだけ時間がかかるかは不明だ。潮流や風向きなどで移動し、浜辺を埋めた軽石が一夜でなくなり、数日後に戻ってくるという現象も起きている。

今後の漂流先にも注意が必要だ。県などによれば、一部が黒潮に乗って九州や四国の太平洋側を北上し、紀伊半島沖で大きく蛇行していったん離れるものの、今月下旬には関東などに再接近する恐れもある。海岸まで漂着する可能性は低いが、沖合を航行する船舶がエンジントラブルを起こすなどの海難事故が懸念される。

東海大の山田吉彦教授(海洋政策)は「軽石がどこを漂流しているかは、衛星写真などで把握することができる。国は情報収集に努め、付近を航行する船舶への注意喚起など万全の対策をとるべきだ」としている。(川瀬弘至)

会員限定記事会員サービス詳細