東京都「ワクチンパス」スタート、特典も

東京都庁=東京都新宿区
東京都庁=東京都新宿区

新型コロナウイルスのワクチン接種記録を登録する東京都の「TOKYOワクションアプリ」の運用が1日から始まった。都は5人以上で1テーブルを使用する場合に提示を求めるほか特典も用意する予定で、東京版の「ワクチンパスポート」といえ、政府が年内導入を目指す本格的なワクチンパスポートの「テスト」としても期待される。

ワクションアプリは無料通信アプリLINE(ライン)の公式アカウントから登録する。氏名や生年月日を入力した上で、運転免許証などの本人確認書類と、接種を証明できる書類の画像をアップロードする。その後、事務局の確認を経ると「登録済み」の画面を入手できる。これが「接種証明=パスポート」となる。

TOKYOワクションアプリの「登録済み」画面(東京都提供)
TOKYOワクションアプリの「登録済み」画面(東京都提供)

都は現在、飲食店に営業時間短縮の要請はしていないが、1つのテーブルを5人以上で使う際には接種証明の提示を求めている。また、特典を提供する協賛企業も募集しており、1日時点で約120事業者に上る。15日以降、抽選でプロ野球や映画のチケットなどがもらえるほか、一部の飲食店では、提示すれば「ワンドリンクサービス」なども始まっているという。

当面は都民だけが対象だが、今月中には通勤・通学する都外在住者も利用できるようにシステム整備を急いでいる。都は関連予算として約10億円を計上、事業は博報堂に委託した。初日の1日、登録者は300人超だったが、3日には2万5千人を超えた。システム上は数百万人に対応でき、都福祉保健局の宮沢一穂課長は「積極的な登録を期待したい」と語る。

政府は年内にワクチンパスポートの電子発行を目指している。スマートフォンにQRコードを送る形で検討され、マイナンバーとひもづけした上で、海外渡航や大規模イベントに入場する際必要になるなど、行動制限の緩和に直接影響するとされる。文字通りパスポートの役割を果たすもので、都のワクションアプリはこの導入に先立つ先行事例となる。

都の場合、行動制限の緩和よりもワクチン接種促進が主な目的で、方向性は若干異なる。ただ、内閣府と都の担当者は連絡を取り合っており、不具合が生じた場合は情報共有するという。現在、登録情報の確認はスタッフが行っているが、申請が激増した場合などに目詰まりを起こす恐れもある。こうした課題を都のケースであぶりだし、政府としてはスムーズな導入に生かしたい考えだ。

また、民間事業者によるワクチンパスポート事業も始まり、協賛企業から特典が提供される。今後、ポイントサービス事業のように林立すれば登録者や協賛企業の囲い込みなども想定され、利用者にとって分かりにくくなる可能性もある。

都の担当者は「あくまで行政が実施する公的な証明である点で差別化を図りたい」としている。

■ワクチンパスで飲食店は特典も

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