産経抄

11月3日

昭和57年に公開された「蒲田行進曲」の蒲田とは松竹の撮影所があった場所だった。ところが深作欣二監督作品の舞台となり実際にロケも行われたのは、東映京都撮影所である。

 ▼映画のクライマックスで、松坂慶子さん演じる小夏が撮影所の門の前で泣き崩れる。未明の撮影現場で、雪を降らしていたのが、当時撮影所長だった高岩淡(たん)さんである。東映の常務でもあった高岩さんが、作り物の雪を入れたカゴを揺らしていた。

 ▼時代劇全盛時代の29年、東宝や大映に比べて新興だった東映に入社する。以来、現場一筋だった。40年代に入ると時代劇が下火となり、撮影所の土地にスーパーが進出する話が出てきた。撮影所の存続のために高岩さんがひねり出したのが、時代劇のオープンセットを一般に開放するアイデアだった。東映太秦映画村は大成功を収める。

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