インド、成長と削減の両立模索 COP26

1日、英北部グラスゴーで開かれているCOP26で演説するインドのモディ首相(AP)
1日、英北部グラスゴーで開かれているCOP26で演説するインドのモディ首相(AP)

【シンガポール=森浩】世界第3位の温室効果ガス排出国のインドが2070年までの排出実質ゼロを打ち出した。経済成長の足かせとなりかねないゼロ目標設定には慎重だったが、国際社会に協調する姿勢を示した形だ。ただ、目標期限は日米などより20年も遅い。削減まで時間の余裕を設け、経済成長との両立を模索する方針だ。

「気候変動は多くの途上国に立ちはだかっている。世界を救うために踏み出さなければならない」。1日の国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)でインドのモディ首相はこう宣言した。洪水や干魃(かんばつ)に直面する〝途上国代表〟として気候変動に率先して取り組む姿勢を示した。

インドでは化石燃料による発電が約6割を占め、モディ政権は経済への打撃を懸念し、ゼロ目標設定には慎重だった。特に20年度(20年4月~21年3月)はコロナ禍によって国内総生産(GDP)成長率が前年度比7・3%減とマイナス成長になるなど、経済の復旧を優先させたい局面でもある。

モディ氏としては、約半世紀後に実現するという遠いゴールながらゼロ目標を打ち出すことで、国際社会からの批判の高まりをひとまず避ける狙いがある。

しかし、インド国内の電力消費量は今後増大する見通しだ。農村部では生活する上で化石燃料に頼らざるを得ない国民も多い。脱炭素をどう達成するかはまだ不明だ。

モディ氏は先進国の支援を当て込む。1日の演説で、先進国が途上国に年間1000億ドル(約11兆4000億円)を支出するとした約束が達成されていないと批判した。モディ氏は「早期提供を期待している」と要求し、応じない先進国には圧力が必要とも訴えた。