株価の「経験則」が加速、与党の絶対安定多数で

上げ幅が一時700円を超えた日経平均株価を示すモニター=1日午後、東京・東新橋
上げ幅が一時700円を超えた日経平均株価を示すモニター=1日午後、東京・東新橋

1日の東京株式市場は、衆院選で自民党が単独で国会運営を主導できる絶対安定多数(261議席)を確保し、安定政権による大規模な経済対策が実現することへの期待から買い注文が膨らんだ。終値は754円39銭高の2万9647円08銭。景気浮揚につながる経済対策への期待感から、衆院解散・総選挙では株価が上がる経験則があるが、今回も選挙期間中に株価が続伸しそれが〝立証〟された。自民党の絶対安定多数維持で、株価はさらに上昇した格好となった。

今回の衆院選では、自民党が単独で過半数の議席を確保できるかが読みにくく、選挙前は様子見から投資家が日本株を買い控える動きが広がっていた。しかし、選挙結果を受け、こうした政治面での不透明感が払拭された。加えて、国内の新型コロナウイルス感染者数の急減で、コロナ禍収束後の景気回復への期待が再び高まったことも株価上昇を後押しした。

昭和44年以降に実施された衆院選で、日経平均株価は解散前営業日から投開票前営業日の日経平均株価が16回全てで上昇しており、今回もその記録は更新された。今回は投開票前営業日(10月29日)の株価が2万8892円で、解散前日(9月13日)の2万8140円を上回り、〝選挙期間は買い〟が再現された。

一方、平成29年10月の前回衆院選では、与党圧勝で当時の株価が約3カ月間で約12%上昇したが、その後は米国の利上げ懸念や森友学園問題を背景にした安倍晋三内閣の支持率急落で衆院選前の水準に戻った。

三井住友DSアセットマネジメントの市川雅浩チーフマーケットストラテジストはこうした例をもとに、「株式市場にとって、選挙結果の賞味期限はそれほど長くなく、3カ月程度が1つの目安になる」と指摘する。

今回の衆院選後の株価見通しについて市川氏は、政府の経済対策の具体的な内容が明示され、コロナ禍からの景気回復期待が高まれば、「今年度末までは株価は上昇基調を維持する」とみる。だが、中国経済の減速や、世界的な半導体不足を受けた国内製造業の業績低迷といった下押しリスクも懸念され、「来年度以降に上昇基調が減速する可能性はある」としている。(西村利也)