主張

岸田首相の続投 安定勢力で成果を挙げよ 対中抑止に本腰を入れる時だ

政権選択の衆院選で、自民党が単独で安定多数を得た。連立する公明党と合わせ絶対安定多数となり、岸田文雄政権は有権者から信任されたといえる。

ただし、解散時と比べ、自民の議席は減少した。政権運営の要である甘利明幹事長は選挙区で敗れ、比例代表で復活したが、岸田首相に辞意を伝えた。

岸田首相や自民党は選挙結果を真摯(しんし)に受け止めねばならない。国会で丁寧な議論を重ねていくべきだ。同時に政策遂行で足踏みしてはならないのはもちろんだ。来年夏には参院選がある。公約実現へ働き抜くべきである。

コロナへの備え確実に

新型コロナウイルス対策は待ったなしの課題である。国内の感染状況は落ち着いているものの、先行きは不透明だ。

政府のこれまでの取り組みへの批判が自民の議席減につながった点は否めない。コロナ禍で経済的苦境に陥った人や事業所は少なくない。入院が必要なのに自宅療養を余儀なくされた人は全国で一時約13万5千人にも及んだ。

岸田政権は、コロナ病床を第5波のピーク時よりも2割以上増やす方針だ。掛け声倒れになってはいけない。ワクチンの3回目接種へ準備中だが、調達や接種態勢に万全を期すべきだ。経口薬の承認、供給も急がれる。

都市封鎖(ロックダウン)などの強力な手立てを、感染症対策の選択肢として日本も持っておくべきだ。岸田首相は慎重姿勢だが、再考すべきである。

経済では当面、コロナ禍で落ち込んだ景気の回復が最優先課題となる。支援を要する世帯や企業に財政面で万全の措置を講じるのは当然だ。まずは経済対策の具体化を急がなければならない。

足元で人流や消費が動き始める中で、対策の規模ばかりを追求しても仕方がない。民需が自律的に回復するよう、政策の実効性や緊急性を吟味してもらいたい。

成長と分配の両立で分厚い中間層を築くという、「新しい資本主義」の肉付けも問われる。アベノミクスが失敗したと唱えた立憲民主党などに対し、自民はこの路線を踏襲しつつ、成長の恩恵が大企業や富裕層に偏らないよう、所得再分配重視の姿勢を示した。