米、COP26で途上国支援主導 中国の外堀埋める

【エディンバラ(英北部)=塩原永久】バイデン米大統領は国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)で、温室効果ガス削減目標達成への決意を示し、各国の積極的な対策推進を促す構えだ。「米国で過去最大」(米政権幹部)となる対策費を投じ、発展途上国への支援も増強。「発展の権利」を主張し、一段と踏み込んだ対策に消極的な中国の外堀を埋める戦略を描く。

米政府は1日、気候変動対策の国際枠組み「パリ協定」で掲げた目標達成のための政策集を発表した。2050年の脱炭素化を実現する工程表となる「長期戦略」を策定。建物の省エネ化や車両の電動化などを進め、官民一体で目標必達を期す姿勢を示した。

マッカーシー米大統領補佐官(気候変動問題担当)は記者団に、化石燃料から再生可能エネルギーへの移行で、過去最大級の投資を実施すると説明した。

バイデン氏は、途上国の対策に活用してもらう資金として、24会計年度までに毎年30億ドル(約3400億円)を割り当てるよう議会に求める方針だ。

先進国は途上国への拠出額を20年までに年1千億ドル確保すると約束したが、実現のめどはたっていない。対策に充てる財源が不足する途上国側は、先進国への不満を強めている。

先進国と途上国の対立が繰り返されてきた地球環境問題で、バイデン政権は、途上国による対策強化の機運を高めたい考えだ。米国の環境技術を移転したり、温暖化に関する科学的知識を提供したりして途上国支援を強化するという。「途上国の声の代弁者」として振る舞う中国への対抗も念頭にあるとみられる。

約2週間のCOP26会期中、米国などの先進国が、途上国側の理解を勝ち取れるか注目される。