米大統領、中露に「失望」 気候変動対策で目標引き上げず

バイデン米大統領=10月31日、ローマ(AP)
バイデン米大統領=10月31日、ローマ(AP)

【ローマ=塩原永久】バイデン米大統領は10月31日、20カ国・地域首脳会議(G20サミット)閉幕後に記者会見し、中国やロシアが温室効果ガスの削減目標を引き上げず「失望」したと述べた。今後は中露などの対策強化が「引き続き焦点になる」と指摘。同日始まった国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)で働きかけを強める構えを示した。

バイデン政権はCOP26に向けて、排出量の多い主要国に対策強化を求めてきた。だが、最大排出国の中国は「2060年までに実質ゼロ」とする目標を強化しようとせず、気温上昇を産業革命前に比べ1・5度以内に抑える目標の実現は困難との見方が出ている。

バイデン氏は中国とロシア、サウジアラビアを名指ししたうえで、「気候変動に対処する目立ったコミットメントがなかった」と指摘。消極姿勢に「人々が失望した」と語った。

G20サミットは2年ぶりに対面で実施されが、中国の習近平国家主席や、ロシアのプーチン大統領はオンライン参加にとどめた。バイデン氏は対面で会談して「強固な個人的関係を築く重要性」を再確認したと言及。習氏らの不参加への不満をにじませた形だ。

一方、バイデン氏は会合で「米国の存在感を示し、世界共通の課題解決へ同盟国や友好国と連携した」と強調。温暖化問題に加え、巨大企業の税逃れを防ぐ国際課税ルール改革や、新型コロナウイルスを含む感染症対策で、G20サミットが成果を収めたと手応えを示した。