「一票の格差」一斉提訴 全289選挙区、無効求め

投票所に訪れた住民ら=10月31日午前、大阪市都島区の桜宮小(前川純一郎撮影)
投票所に訪れた住民ら=10月31日午前、大阪市都島区の桜宮小(前川純一郎撮影)

人口比例に基づかない区割りで「一票の格差」を是正せずに実施された今回の衆院選は憲法違反だとして、弁護士グループが1日、選挙の無効(やり直し)を求め、全国289選挙区全てについて14の高裁・高裁支部に提訴した。各地の高裁判決が出そろった後、早ければ令和4年度中にも最高裁が統一判断を示す見通し。10月18日時点での最大格差は2・09倍。

同種訴訟をめぐっては、最大格差が2倍超だった平成21年、24年、26年の衆院選について、最高裁が違憲状態と判断。区割り変更により1・98倍となった29年の前回衆院選については、30年12月の判決で「合憲」とした。今回の衆院選も29年と同じ方式・区割りで実施されたが、人口移動で最大格差は2倍超に拡大していた。

28年に成立した衆院選挙制度改革関連法では、一票の格差を是正するため、人口比を正確に反映しやすい議席配分方法「アダムズ方式」の導入を決定。令和2年国勢調査の結果を踏まえて同方式を適用すると、衆院の選挙区は15都県で「10増10減」の見直しが必要とされる。有識者による衆院選挙区画定審議会(区割り審)が議論を進めており、新たな区割りでの衆院選は4年以降となる見通しだ。

東京高裁への提訴後に会見した伊藤真弁護士は「前回衆院選よりも格差は後退しており、明確に違憲判決が出ると期待している」とした上で、「裁判所が(選挙の)無効判決を出すことで初めて政治は動く。格差是正は裁判所の役割だ」と訴えた。