柔道男子、鈴木桂治代表監督のもう一つの挑戦 スポーツジムで柔道教室「スイミングと同じように」

ゴムチューブを使った投げ技の動きで、体を強くする子供たち。鈴木桂治氏(左)らのまなざしは優しい=さいたま市大宮区
ゴムチューブを使った投げ技の動きで、体を強くする子供たち。鈴木桂治氏(左)らのまなざしは優しい=さいたま市大宮区

鈴木氏は3児の父で、6歳の長女はダンススクールに通っている。そこで目の当たりにしたわが子の成長に、言葉にならない感動を覚えたという。「他の子供たちにも体を動かす喜びを知ってほしいと思うようになった。できれば、柔道を通じて」

教室では礼儀作法はもちろんのこと、投げ方や投げられたときの受け身の取り方といった、柔道の初歩を丁寧に教えていく。伝えたいのは、昨日までできなかった技ができるようになる「喜び」、相手に投げられるという「思いやり」。相手がいて初めて成り立つ柔道を通じて心と体を養い、子供たちの成長を後押しできれば、と鈴木氏は考えている。習熟の度合いに応じて帯の色を変えるなど、段階を踏むことの大切さも伝えていく。

開講日は月曜と木曜の週2回。母校国士舘大柔道部の2学年下の後輩、武井俊介氏(武井道場館長)がレギュラーの講師を務め、鈴木氏は2カ月に1回をめどに、臨時指導に当たる予定だ。

「柔道をきっかけに、野球、サッカー、体操、水泳といった他の競技の可能性を追求してもらってもいい。それでも柔道を続けたいという子がいれば、本格的な道場も、柔道の強い学校も紹介する。自分の名前で開講している以上、子供たちの成長を責任を持って見届けたい」

教室を訪ねてきた子供たちは、自分の体に秘められた可能性にまだ気づいていない。彼らの世界を広げるため、未来につながる扉を開け放つため。日本柔道の看板を背負った人の、もう一つの挑戦である。(運動部 森田景史)