飢餓、貧困、紛争解決に向け国際連携急務 COP26

英北部グラスゴーの市街地で掲げられたCOP26開催に関する垂れ幕 (AP)
英北部グラスゴーの市街地で掲げられたCOP26開催に関する垂れ幕 (AP)

【グラスゴー(英北部)=板東和正】COP26首脳級会合は、20カ国・地域首脳会議(G20サミット)の首脳声明の実現に向け、議論を前進させられるかが焦点となる。気候変動が飢餓や貧困、紛争などを引き起こすリスクが危惧される中、地球温暖化を食い止めるための国際連携が急がれる。

G20サミットは10月31日に採択した首脳声明で「パリ協定」が掲げる「世界の気温上昇を産業革命前と比べて1・5度以内に抑える」との目標を明記した。

1・5度以内に抑えるには、世界全体で温室効果ガス排出量を2050年までに実質ゼロにする必要があるとされる。しかし、首脳声明は「今世紀半ば」までに温室効果ガスの排出量を「実質ゼロ」とし、目標年次の明記を見送った。「60年まで」とする最大排出国の中国、ロシアなどに妥協したとみられる。

国連のグテレス事務総長は31日、「(声明を)歓迎するが、希望は満たされずにローマを去る」と不満を表明した。欧米と中露が気候変動対策で足並みをそろえるのは容易でない。

主要国間の溝が浮き彫りになる中、COP26の議長を務めるシャルマ氏は「地球温暖化の赤信号が点滅している」とし、踏み込んだ気候変動対策で合意することを求めた。

対策が急がれるのは「気候変動による食糧不足などが紛争や混乱をもたらす恐れがある」(国連気候変動枠組み条約事務局のエスピノサ事務局長)ためだ。

国連世界食糧計画(WFP)の6月報告によると、マダガスカル南部の農村地帯で厳しい干魃が発生。農作物がとれなかった影響で110万人以上が食糧不安に陥った。WFPのビーズリー事務局長は「紛争ではなく、気候変動がこの事態を招いている」と指摘した。