浪速風

「政(まつりごと)」本番

〈朕(ちん)は徳が薄いのに重責を担っている〉。ずいぶん気弱に聞こえる言葉だが、奈良時代・聖武天皇の国分寺建立の詔はこんなふうに始まる(「続日本紀」から)。〈このごろは凶作で疫病が流行し、私は自分を責めている。万民のために幸福を求めたい〉と続き、これまでの自分の政治を反省しつつ、人々の幸せと仏教による国家鎮護を願って全国に国分寺を建てた

▶現代、疫病までが為政者の責任とは思わないが、その後の対応は政治の責任だ。外交にしろ経済にしろ常にその重さを自覚し、時に反省する姿勢こそ「政(まつりごと)」を担う人のあるべき道だろう。4年ぶりの総選挙が決した

▶戦い済んで今日からが本番である。今朝の結果はコロナ禍の約2年、苦しんできた民の声そのものだ。躍進も惨敗も真摯(しんし)に受け止め、日々の政務に励んでもらいたい。3年後か4年後か、次の選挙を前に反省しなくてすむように。今日は「古典の日」。