大阪自民、大ダメージ 現職政務官も落選

前回と今回の衆院選 大阪選挙区における自民党の勝敗
前回と今回の衆院選 大阪選挙区における自民党の勝敗

衆院選で自民党は国会運営を主導できる「絶対安定多数」を確保しながら、大阪府内の選挙区では全敗と壊滅的な結果になった。府内で絶大な人気を誇る日本維新の会の候補者に太刀打ちできず、涙をのんだ現職政務官も複数いた。昨年11月に維新の看板政策「大阪都構想」が住民投票で否決されてから初の衆院選で維新との地力の差が浮き彫りになった形で、自民は態勢の立て直しを迫られている。

大阪4区で敗れ、頭を下げる自民党の中山泰秀氏 =1日午前2時30分、大阪市北区
大阪4区で敗れ、頭を下げる自民党の中山泰秀氏 =1日午前2時30分、大阪市北区

「長い時間待っていただき、心からおわび申しあげたい」

1日午前2時すぎ、大阪4区(大阪市北区など)で敗れた自民の中山泰秀氏(51)は落選が決まると、選挙事務所に集まった支援者らに深々と頭を下げた。「今回は分が悪かった」「維新が強かった」。陣営からは口々にこんな声が上がった。

平成24年に橋下徹氏が維新を国政政党として旗揚げして以降、国政・地方問わず数々の選挙で苦戦を強いられてきた大阪の自民。そうした中でも29年の前回衆院選では、公認候補者を擁立した府内15選挙区のうち10選挙区で維新に競り勝ち、国政与党としての面目を保った。だが、今回は全選挙区で維新に敗北。選挙区で敗れた候補者には、大西宏幸氏(54)や大隈和英氏(52)、宗清皇一氏(51)=比例復活=と3人の現職政務官も含まれていた。

「10年がかりで維新王国ができあがってしまった」。自民府連幹部はこう嘆く。府内での維新人気が拡大するにつれ、維新公認の首長が次々と誕生。橋下氏が引退してもなお、維新副代表で大阪府知事の吉村洋文氏による新型コロナウイルス対策などが脚光を浴び、維新人気はさらに高まった。自民府連幹部は「維新に風が吹いていたわけではない。無風だからこそ、維新の地力が際立った」と分析する。

維新が進めた昨年11月の都構想の住民投票は僅差で否決された。ただ、それすらも「維新との最大の対立軸がなくなり、訴える力が下がってしまった」とマイナスの要素としてとらえる向きもある。

大阪9区(茨木市など)で落選した自民府連会長の原田憲治氏(73)は、今回の結果を受けて会長を辞任する意向を府連に伝えた。一方で、今回府連から比例近畿ブロックで当選した3人は、柳本顕(あきら)氏(47)らいずれも比較的若い世代だ。

ある自民関係者は力を込める。「自民府連も維新のようにリーダーシップのある若い人を立て、自ら風を作っていかないといけない。新しい感性の自民党を作ってほしい」。