衆院選 与党過半数、立民共闘もふるわず 維新躍進

岸田文雄総裁(右)が自身の名前の上に当選の花を付けなかったことを見守る自民党・甘利明幹事長 =31日午後、東京都千代田区永田町・自民党本部(代表撮影)
岸田文雄総裁(右)が自身の名前の上に当選の花を付けなかったことを見守る自民党・甘利明幹事長 =31日午後、東京都千代田区永田町・自民党本部(代表撮影)

第49回衆院選は31日、投開票が行われ、自民、公明両党が過半数の233議席を確保することが確実となった。岸田文雄首相(自民党総裁)は信任を受け、政権を維持する。政府・与党が11月10日の開催で調整する特別国会で第101代首相に指名され、第2次岸田内閣が発足する運びだ。ただ、自民は公示前勢力の276議席から減らす公算が大きい。立憲民主党は選挙区の約7割で共産党などと候補者を一本化したが、ふるわなかった。一方、日本維新の会は公示前勢力の11議席から大幅に躍進した。

首相は31日夜のNHK番組で「自民は議席を大きく減らすことになる。政権や国会運営にどのように影響するのか、丁寧に対応を考えなければならない」と述べた。自民は野田毅元自治相(熊本2区)が落選確実で、石原派(近未来政治研究会)会長の石原伸晃元幹事長の選挙区敗退が確実だ。立民の旧民主党代表、小沢一郎氏(岩手3区)も選挙区での敗北が確実となった。

選挙戦では与野党双方が新型コロナウイルス対策の強化を掲げた一方、首相は成長と分配の好循環を目指す「新しい資本主義」を訴え、分配を重視する野党との差別化を図った。立民と共産など安全保障政策が一致しない野党による選挙協力も批判した。

立民、共産、国民民主党、社民党、れいわ新選組の野党5党は213選挙区で候補者を一本化し、135選挙区で事実上の与野党一騎打ちに持ち込んだ。安倍晋三、菅義偉両内閣を総括する選挙と位置づけたが、躍進につながらなかった。維新は自らを改革勢力とし、地盤の関西以外でも支持を広げた。

首相は与党で過半数確保を勝敗ラインとしていたが、自公の公示前勢力は305議席。自公だけで憲法改正の国会発議に必要な3分の2に当たる310議席を確保できないことは確実で、改憲に前向きな維新などとの協力が必要になる。

共同通信社が午後11時現在で集計した衆院選選挙区の推定投票率は55・78%となった。平成29年の前回を2ポイント程度上回るものの、戦後3番目に低い投票率になる可能性がある。

現行憲法下で初めて前衆院議員の任期満了日(10月21日)以降に投開票日を迎えた。岸田内閣発足から衆院解散まで10日間、解散から投開票まで17日間は戦後最短だった。