自然災害にどう対処するかは日本の鉄道事業者が抱える大きな課題だ。鉄道総合技術研究所(東京都国分寺市)が確立した地震時に細かい範囲で揺れの大きさを推定できる技術は、安全な区間を特定しやすく、移動可能な列車をすぐに動かす判断の一助となる。それは乗客が閉じ込められる時間の短縮につながる。また、ゲリラ豪雨による雨量の予測情報を利用し、列車の最適な停車位置を導き出すシステムも開発され、近く実用化される。
「DISER(ダイザー)を活用したシステムに大阪北部地震のデータを適用したら、乗客が駅間降車した列車の55%は、すぐに最寄り駅まで動かせる地域にいたとの結論が出た」
DISERとは鉄道総研の「鉄道地震被害推定情報配信システム」を指す。6月に導入したJR西日本の担当者は「閉じ込め」回避に役立つことを期待する。