犯罪最前線

アダルト商品丸見え「まんだらけ」摘発の舞台裏

禁止区域内でアダルト商品を販売していた「まんだらけ 禁書房」=9月17日、東京都中野区の中野ブロードウェイ(根本和哉撮影)
禁止区域内でアダルト商品を販売していた「まんだらけ 禁書房」=9月17日、東京都中野区の中野ブロードウェイ(根本和哉撮影)

中古の漫画や映像ソフトなどを取り扱う古書店チェーン「まんだらけ」が今月22日、営業が禁止されている区域でアダルト商品専門店「禁書房」を営業していたとして、風営法違反の疑いで警視庁保安課に書類送検された。禁書房は以前から営業をめぐって周囲の店とトラブルになっており「取り締まられてよかった」との声が上がる一方、SNS上などでは「他のアダルトショップはなぜ摘発されないのか」という意見も出ている。背景には、アダルトショップなどの風俗店営業に課される規制の厳しさが存在している。

禁止区域で営業

警視庁保安課に書類送検されたのは、まんだらけの法務担当役員の男(60)と、法人としての同社。同社は8月28日、中野ブロードウェイ(東京都中野区)4階にアダルトDVDや写真集などを専門に扱う「まんだらけ中野店 禁書房」を開店させたが、同店は風営法などでアダルトショップの営業が禁じられている、病院から周囲200メートルの区域内に存在していた。

9月以降、中野署に匿名の苦情が相次ぎ、保安課がその後計4回、役員の男に営業改善の指導を行った。しかし禁書房は営業を続けたため、同課は14日に店へ立ち入りを行い、商品など計約2500点を押収。約1カ月の捜査の後、書類送検へ踏み切った。

役員の男は「安易に考えてしまった」などと容疑を認めている。

子供も来るのに

禁書房は書類送検以前から、周囲の店と営業をめぐってトラブルとなっていた。店の入り口に扉や覆いなどを設けておらず、店外の通路からアダルト商品が見えるようになっていたためだ。

「まんだらけ側は自分たちのことしか考えていなかった」。禁書房と同じブロードウェイ4階で働く40代の女性は、産経新聞の取材にこう振り返る。

女性によると、周囲の店はまんだらけ側に「子供も来る場所なので配慮してほしい」と、商品の置き方などを見直すように要請したという。しかし改善されることなく、禁書房の営業は継続された。

その後女性は、禁書房の営業が風営法違反に当たる可能性があることに気づき、中野署に通報。「子供も来る場所だし、中野は再開発も控えている。安全な街づくりのためにも、警察が動いてくれてよかった」と、率直な思いを打ち明けた。

風俗営業のルール

まんだらけの辻中雄二郎代表取締役は保安課の聴取に「警察から指導を受けた後も営業を続けてしまったことについては認識が甘かった」と話し、禁書房は風営法に触れない形態での営業再開を検討するとした。

一方、SNS上には「なぜまんだらけだけが?」「他のアダルトショップはどうして摘発されないのか」といった内容の投稿もみられる。こうした意見が生まれる背景には、風俗営業に課される複雑なルールの存在がある。