「卒業後に自立できるように」存在感増す通信制高校

「クラーク記念国際高校」京都キャンパスで授業を受ける生徒。制服を着て、毎日登校している=6月、京都市下京区
「クラーク記念国際高校」京都キャンパスで授業を受ける生徒。制服を着て、毎日登校している=6月、京都市下京区

不登校だった生徒の受け皿として近年、通信制高校が存在感を増している。通信制でありながら、全日制高校と同じ週5回の通学コースを設けるなどして人気を集める学校も。一方、不適切な教育が問題視された学校もあり、文部科学省は今春、教育計画の公開を義務付けるよう省令を改正した。卒業後、社会で活躍するためのスキルを習得できるかどうか。選択肢が広がった今、生徒側には慎重な学校選びが求められている。

週5日通学

通信制のクラーク記念国際高校京都キャンパスは、京都市下京区の路地に建つビルが学び舎(や)だ。制服姿の生徒が週5日で授業を受け、休み時間には同級生とはしゃぐ。文化祭などの行事もあり、学校生活は全日制の高校と変わらない。

同校は不登校生徒の受け皿として、学校法人「創志学園」(神戸市)が平成4年に設立。北海道を本校に全国各地のキャンパスに計約1万人が在籍する。全日制より柔軟なカリキュラムを組める通信制の特性を生かし、中学の学び直しに加え、進学、福祉・心理系、プログラミングなど多彩なコースを展開。大塚敏弘学園長は「個々のニーズに応じて社会で活躍する力を身につけるための教育ができる」と強みを語る。

同校には通信教育のコースもあるが、多くは週5日の通学コースを選ぶ。不登校だった生徒にはハードルが高いようだが、「変わりたいと願う生徒にはきっかけが必要」と大塚学園長は言う。同様に通学頻度を選べる通信制高校は増えており、登校日を週1日から始めて徐々に増やしていくケースもある。卒業後、進学先や就職先に毎日通えるようにするためだ。

生徒のニーズ変化

通信制高校は、働く若者が学校に通わず高校教育を受けられるようにとつくられた。文科省令の高校通信教育規程などによると、リポートの添削指導▽個々の学習課題に応じて本校やサテライト施設(キャンパス)で教員の指導を受ける面接指導(スクーリング)▽試験-によって教育を実施。面接指導に最低限必要な時間などは学習指導要領が定める。

しかし、時代とともに生徒層とニーズが変化。29年度の国の調査では、広域通信制高校の生徒の約67%に不登校経験があり、障害などで支援を要する生徒や外国籍の生徒もいた。文科省の担当者は「学習を生徒の自主性に委ねられたかつてと異なり、きめ細かなサポートが必要になった」と話す。