書評

『絶対美感』假屋崎省吾著

『絶対美感』假屋崎省吾著
『絶対美感』假屋崎省吾著

世界的な華道家の詩的自伝である。クラシック音楽と園芸を愛した母と、公務員として都市計画に携わった父の下で、内気で無口な少年は楽譜と設計図に絵画的な美を感じるような豊かな感性を育んでゆく。

中学生のときに何かが忍び寄ってくる。恋愛対象が女性でないことを自覚する。そして草月流3代目家元の勅使河原宏さん、美輪明宏さんとの出会いがその人生を決定づける。

「花をいけるように言葉をいけてみました」と書く。詩的な文章は感謝の気持ちに満ちており、すがすがしい読後感をもたらす。(早稲田新書・990円)