「政治とカネ」震源地でも与党候補が勝利 広島3区

「政治とカネ」の震源地で、自公が逆風をはね返した。自民の法相経験者が、かつて指揮監督した検察当局に逮捕されるという、異例の大規模買収事件で注目された広島3区(広島市安佐南区など)。比例中国から転じた公明前職で国土交通相の斉藤鉄夫氏(69)が当選を果たし、与党の枠組みで何とか議席を維持した。

「大変厳しい戦いだった。自民の方々にも最後は死に物狂いになってのご支援をたまわった」。当選確実の報が伝わると、斉藤氏は広島市内の会場に集まった支援者を前に、繰り返し頭を下げて感謝した。

同区では、河井克行元法相(58)が平成24年以降、3選していたが、2年前の参院選広島選挙区をめぐる買収事件で、妻の案里元参院議員(48)とともに公選法違反罪に問われ有罪判決が確定。案里氏の当選無効に伴う今年4月の参院再選挙では自民候補が敗れるなど、事件に対する地元有権者の反感は強く、今回の衆院選でも厳しい戦いが予想された。

議席確保を最優先とした自公両党は、自民ではなく公明からの候補者擁立を決め、閣僚や党の要職を歴任した斉藤氏を与党統一候補とした。

選挙区を斉藤氏に譲り、比例中国からの立候補に回った自民の元広島県議、石橋林太郎氏(43)が支持固めに奔走。同じ広島が地元の岸田文雄首相も応援入りし、マイナスイメージの払拭を図った。

選挙戦を通じ「一新人、挑戦者としての戦いだ」と繰り返した斉藤氏。政治とカネの問題については「非常に大きな与党へ逆風があった」と振り返ると、「その構図は今も残っている。小さな声を誠実に形にしていくことで信頼を回復するしかない」と述べ、表情を引き締めた。