維新松井氏の地元で落下傘新人が初当選 大阪14区

気勢をあげる日本維新の会の青柳仁士氏=31日午後8時5分、大阪府八尾市(安元雄太撮影)
気勢をあげる日本維新の会の青柳仁士氏=31日午後8時5分、大阪府八尾市(安元雄太撮影)

31日に投開票が行われた第49回衆院選では、維新の松井一郎代表のおひざ元である大阪府八尾市を含む大阪14区で、落下傘候補として出馬した維新新人の青柳仁士(ひとし)氏(42)が自民前職の長尾敬氏(58)らを退け、4度目の国政挑戦で念願の初当選を果たした。

苦労人の挑戦者が盤石の勝利を飾った。午後8時過ぎ、テレビで青柳氏の当選確実が報じられると、近鉄河内山本駅(八尾市)近くの選挙事務所は歓喜に沸いた。

拍手で出迎えられた青柳氏は晴れやかな表情で花束を受け取ると、詰めかけた支援者ら約50人と「ガンバロー」と声をあげながらこぶしを力強く突き上げた。

14区を地盤とする維新の谷畑孝氏が昨年4月、体調不良を理由に議員辞職。公明が候補を擁立する選挙区を除き、しばらくは維新の「空白区」となっていた。松井氏の将来的な国政進出を期待し、差し替え可能な人をあてるべきとの声も一部にあったが、今年6月に青柳氏の公認が決まった。

埼玉県出身の青柳氏は平成24年の維新結党以来、過去3回の衆院選を同県内の選挙区で戦ったが、いずれも及ばなかった。

松井氏は「苦労したからこそ良い。(自分の身分にこだわらずに改革に挑む)維新スピリットがある」と評価し、元国連職員の経歴から外交分野に明るく、国政に有為な人材と訴え続けてきた。

前回選で谷畑氏が長尾氏に敗れた経緯もあり「今回こそは」と陣営の士気は高かった。松井氏自ら水面下で働きかけ、松井氏の後援会などが全面支援。地縁がない青柳氏に陣営が「有権者の反感を買いかねない。無理に関西弁を話さなくていい」とアドバイスすることも。青柳氏は地元の大阪府議や市議らのネットワークを生かして選挙区をくまなく回り、短期間で支持を広げていった。

対立候補の長尾氏は保守色が強く、大阪の自民候補15人のうち唯一、公明の推薦がないまま選挙戦を戦った。

安倍晋三元首相が10月26日に来援した際は、松井氏も巻き返しを警戒。翌日に青柳氏の応援に入り、「相手も必死だ。大阪の改革を全国に広げるために選挙区は青柳、比例は維新にお願いします」などと街頭演説で訴え、引き締めを怠らなかった。

青柳氏は選挙事務所で「埼玉県出身の私が受け入れてもらえるか不安もあったが、毎日地域を歩くうちに熱の広がりを感じるようになった」と選挙戦を振り返り、「持続可能な地域と日本を作ることや、大阪府、市と国の連携といった有権者との約束を果たしていく」と力を込めた。