「中山家」の地盤崩した維新・美延氏 大阪4区

大阪4区で当選が確実になり花束を受け取った日本維新の会の美延映夫氏=31日午後8時32分、大阪市北区(竹川禎一郎撮影)
大阪4区で当選が確実になり花束を受け取った日本維新の会の美延映夫氏=31日午後8時32分、大阪市北区(竹川禎一郎撮影)

「大阪の改革を全国で行うという公約を果たし、しっかりと政策を前に進めていきたい」

31日投開票が行われた衆院選で、選挙区で初めての当選を確実にした維新前職の美延映夫(みのべ・てるお)氏(60)は大阪市北区の選挙事務所で支援者を前にこう語った。対立候補の自民前職、中山泰秀氏(51)に前回選は約7600票の僅差で敗れ、昨年に比例代表近畿ブロックで繰り上げ当選。今回雪辱を果たし、喜びの表情をみせた。

無党派層が多いとされる大阪4区(大阪市北・都島・福島・城東区)は、選挙時の社会情勢や世論の影響をもろに受け、当選者が入れかわりやすい「魔の選挙区」ともいわれてきた。「郵政解散」の平成17年は中山氏が制したが、政権交代の21年には民主候補が当選。維新も国政選挙に初めて候補者を擁立した24年に議席を獲得していた。

もっとも4区のエリアは、中選挙区制時代から中山氏の祖母、マサ氏や父の正暉(まさあき)氏が当選を重ねてきた「中山家」の地盤だっただけに、ここでの維新の勝利は単なる「風」だけでない、党としての着実な浸透ぶりをうかがわせた。

選挙戦で美延氏は、政府与党との対決姿勢を前面に国会議員の定数削減などの改革を実行するとアピール。「しっかり改革できるのは維新だけ」と強調した。

大阪市議時代からの地元だった北区以外での知名度の低さは、昨年から続ける週末のつじ立ちや自転車での巡回などを通じてカバー。「自民のお株を奪う『どぶ板選挙』」(陣営関係者)を徹底し、幅広い層の支持を得た。

一方、過去2回連続で選挙区当選を果たしてきた中山氏の選挙事務所では、美延氏当選が伝えられると、集まった支援者からため息が漏れた。

選挙戦では、菅義偉(すが・よしひで)前政権で防衛副大臣を務め、自衛隊の新型コロナウイルスワクチン大規模接種センターの開設を指揮した実績などを訴えたが、及ばなかった。