朝晴れエッセー

愛をことばに・10月31日

長く病床にある自分は、親として一体何ができるのだろう。

子供たちとたくさん出かけることが夢だったが公園で遊ぶこともできない現実…。回復がなかなか見込めない現状から未来を考えると、ついつい卑屈になってしまう。

だが、そんな私でも何かできることがきっとあるはずだ。そう考えて見つけた答えが、愛の言語化だった。

膝に乗せたり、一緒にお風呂に入れなくても、「大好き」ということだけは、繰り返し言葉にして子供に伝えてきた。

もちろん叱ることもあるし、病んだ身のため具合が悪くなって余裕がなくなれば、子供に苛々して悔し涙を流す日もある。

そんなときも、後でしっかり謝って、「大好きだよ」とずっと伝えてきた。

そのおかげか最近は、「パパは俺のこと、本当に好きなんだな!」と言ったり、「もう知ってるって!」と笑いながらしゃべるようになった。長年まき続けた愛の種が、無垢(むく)な土壌に確実に実っているようで心底うれしくなった。

働けない私は、自分の存在価値に疑問を持ってしまう。だが、子供たちはそんなことに関係なく、私をかけがえのない存在としてずっと家族に迎え入れてくれている。

そんな子供たちのためにも、これからも愛を言語化していきたい。やがて子供たちが大きくなり、うざく思うこともあるだろう。しかし親に愛された記憶が、巣立った後の彼らの力になると私は信じている。

だから、これからも精いっぱい人生を生き抜いて、自分なりの父親像を全うしていきたい。


森惇(あつし)(38) 千葉県松戸市