経済対策で公明に配慮へ 分配、対象広がる可能性

自民党総裁の岸田首相のポスターと甘利幹事長=31日午後8時43分、東京・永田町の党本部
自民党総裁の岸田首相のポスターと甘利幹事長=31日午後8時43分、東京・永田町の党本部

31日の衆院選で自民党が議席を減らしたことで、今後取りまとめる追加経済対策は連立を組む公明党の意向が強く反映されそうだ。困窮者支援など自民、公明両党で差がある政策は公明の公約を軸に調整が進められる見通し。両党いずれの公約にも配慮が必要になり、経済対策とその財源となる令和3年度第1次補正予算案の規模は膨らむ可能性が高い。

予算案や法案の成立には衆院の過半数が必要となるため、キャスチングボートを握る公明党の意見が政策に反映されやすくなる。

自民、公明両党で隔たりがあったのが分配政策だ。自民が非正規労働者や女性など新型コロナウイルス禍で困窮した個人に絞った支援を掲げる一方、公明は困窮者に加え0歳から高校3年生までの全ての子供を対象に一律10万円相当の給付を行うとしていた。衆院選の結果を受け、追加経済対策では、公明が公約した支援の規模や対象が検討されそうだ。

この他も、マイナンバーカード普及に向けた1人一律3万円相当のポイント付与など公明の目玉政策も盛り込まれる可能性が高い。

科学技術分野への集中投資など自公両党で足並みがそろう政策は順当に採用されそうだ。ただ、来年の参院選を見据え〝選挙の顔〟としての首相の求心力が弱まれば、格差是正を重視した「新しい資本主義」に基づく政権の独自政策は実現が難しくなる恐れがある。

追加経済対策は、首相が議長を務める「新しい資本主義実現会議」が11月上旬にまとめる緊急提言案を踏まえ、与党との調整を経て同月中旬にも閣議決定する。コロナ対応で迅速な支援も盛り込むため、1次補正は11月下旬~12月初めの閣議決定を目指す。その後、1次補正を速やかに国会に提出。年内に成立させ、早期の執行を図る。