都構想なき維新 躍進の背景に吉村人気

維新候補の応援演説に駆け付けた日本維新の会副代表の吉村洋文氏(左)=東京都新宿区
維新候補の応援演説に駆け付けた日本維新の会副代表の吉村洋文氏(左)=東京都新宿区

看板政策だった「大阪都構想」が昨年11月の住民投票で否決されてから1年。一敗地にまみれたはずの日本維新の会が「復活」ののろしを上げた。住民投票後も「改革」の旗印は降ろさず、今回の衆院選では前回より40人以上多い96人を公認。地盤の大阪以外でも党勢を拡大し、「ローカル国政政党」脱却へ、その基礎を固めた。

「(大阪では)改革で財源を生み出しています。自民党とガチンコでやるような、そんな政党にさせてください」

選挙戦最終日の30日夜、維新副代表の吉村洋文氏は大阪市内の街頭でこう呼びかけ、与党でも立憲民主党でもない「改革政党」としての維新のスタンスを強調、聴衆から大きな喝采を浴びた。

今回の衆院選を通じ、維新は母体の地域政党「大阪維新の会」が結党された平成22年以降、10年間にわたって積み上げてきた私立高校授業料の無償化や大阪市営地下鉄の民営化といった改革実績をアピール。この「大阪モデル」を全国に広げていくと各地で訴えた。

大阪以外での支持拡大に向け、7月の東京都議選では1議席を死守。続く兵庫県知事選では、「改革路線を共有している」と推薦した元大阪府財政課長を初当選させ、党勢伸長の足がかりを築いていた。

昨年来の新型コロナウイルス禍で積極的な情報発信を行い、全国区の知名度を持つようになった吉村氏は「選挙の顔」として、松井一郎代表とともに兵庫や首都圏でもマイクを握り、てこ入れに奔走。若者を中心に無党派層にも浸透を図った。

選挙戦最終日、その吉村氏と並んで街頭に立った松井氏は「大阪でやった改革を全国に広める。まず一番に、国会議員の身分にメスを入れる」と声を張り上げた。