SNSの罠

国際ロマンス詐欺 狙われる中高年

ただ、府警幹部は「今回逮捕されたのは、末端の立場の人間だ」と明かす。被害金の送金先から、首謀者はアフリカ・ガーナに拠点を置く国際的な犯罪組織とみられ、府警は引き続き詳しく調べている。

甘い言葉を何度も

詐欺グループが送るメッセージは、荒唐無稽な内容が目立つ。にもかかわらず、だまされる人は後を絶たない。国際ロマンス詐欺に詳しい作家でカウンセラーの新川てるえさん(57)は「まめに連絡をとるうちに、マインドコントロールにかかってしまう」と指摘する。

新川さんによると、犯罪グループはSNSなどで軍人や医師、投資家など社会的地位のある立場の人間になりすまし、ターゲットに接触を図るケースが多い。連絡先を交換すると、一日に数十通のメッセージを送ることもあり、「君のような女性が理想だ」などと日本人なら赤面してしまうような甘い言葉を何度も投げかけるという。

相手から好意を感じられるようになったら、次の段階に移る。ビジネスの失敗や家族の病気といった災難をでっちあげ、入院費用などとして金銭を要求するのが常套(じょうとう)手段。被害者は周囲に相談する時間も与えられないまま、「何かしてあげないと」と情にほだされ、だまされてしまう。

新川さんは「お金を払うと『感謝している。一生君を大切にする』と言われ、相手をもっと好きになる。優しくされたことで詐欺と受け入れられず、次々と現金を送金する被害者もいる」と説明。懐に比較的余裕のある中高年の被害者が多いといい、「SNSで出会った外国人から金銭を要求されたら、まずは不審に思ってほしい」と呼び掛けている。(宇山友明)

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