天皇陛下のお言葉全文 和歌山で開催の国文祭・芸文祭

第36回国民文化祭と第21回全国障害者芸術・文化祭の開会式にオンラインで参加し、あいさつされる天皇陛下=30日午後、和歌山市
第36回国民文化祭と第21回全国障害者芸術・文化祭の開会式にオンラインで参加し、あいさつされる天皇陛下=30日午後、和歌山市

天皇、皇后両陛下は30日、皇居・御所と和歌山県をオンラインでつなぎ、国内最大級の文化の祭典「第36回国民文化祭(国文祭)」と「第21回全国障害者芸術・文化祭(芸文祭)」の開会式に臨席された。天皇陛下が式典で述べられたお言葉の全文は次のとおり。

「第三十六回国民文化祭・わかやま二〇二一」・「第二十一回全国障害者芸術・文化祭わかやま大会」の開会式に、オンラインという形で、皆さんと共に出席できることをうれしく思います。

和歌山県は、日本最大の半島である紀伊半島に位置しており、半島を縦断する紀伊山地の山々に降り注ぐ雨が森林を育み、その森から湧き出る清らかな水がやがて雄大な川や滝となり、黒潮の流れる太平洋の大海原へと流れ込んでいます。こうした自然豊かな環境の中で、世界文化遺産の「熊野三山」、「高野山」を含む霊場と、そこに至る「参詣道」が生まれ、また、「和歌の浦」は万葉の時代から景勝の地として多くの歌に詠まれるなど、奥深く趣のある文化が生み育てられ、永きにわたって受け継がれてきました。

この和歌山の地に、全国各地で様々な芸術文化活動に取り組まれている方々を迎え、国民文化祭、全国障害者芸術・文化祭が開催されることは誠に意義深く、関係者の皆さんが開催のために払われた努力に対し、心から敬意を表します。

私たちは、今もなお、新型コロナウイルス感染症により、人々の交流に制約を受け、芸術文化活動にも大きな影響を受けています。芸術文化に携わる皆さんの御苦労や、活動を続けていく上での不安もいかばりかと思います。この困難な状況に向き合い、今回、新型コロナウイルス感染症への対応に心を配りながらこの大会が開催されることは、芸術文化活動への大きな励みになることと思います。そして、芸術文化は、たとえ困難な状況にあるときにも、私たちの心に潤いをもたらし、心豊かな生活を実現する手助けとなるものと思います。

今大会は、「山青し 海青し 文化は輝く」というテーマの下、県内全域で様々な芸術文化活動が行われ、障害のある方もない方も、世代や地域を超えて交流しながら、喜びや感動を分かち合えるような催しが実施されると聞いています。このような取組を通じて、地域に息づく文化の価値や魅力が再認識されるとともに、多くの人々の交流の輪が新たな文化の創造へとつながっていくことを期待しています。

「国民文化祭・わかやま二〇二一」・「全国障害者芸術・文化祭わかやま大会」が大きな成果を収めることを願い、私の挨拶といたします。

■両陛下、和歌山の国文祭・芸文祭にオンラインでご臨席