激戦東京8区 声からし最後の訴え 与党VS.野党共闘の象徴

【衆院選2021】JR西荻窪駅で東京8区候補者の演説を聞く聴衆=30日午後、東京都杉並区(桐山弘太撮影)
【衆院選2021】JR西荻窪駅で東京8区候補者の演説を聞く聴衆=30日午後、東京都杉並区(桐山弘太撮影)

衆院選は30日、12日間にわたる選挙戦の最終日を迎え、候補者たちは全国各地で「最後の訴え」に声をからした。「政権与党」対「野党共闘」の象徴的な選挙区として注目を集めた東京8区でも、前職と新人の3氏が火花を散らし、ラストスパートをかけた。

自民党前職の石原伸晃氏(64)は午後2時ごろ、丸川珠代前五輪相とともに杉並区内の公園に姿を見せると、遊んでいた親子らに歩み寄り、「石原、石原伸晃です。どうぞよろしく」とあいさつしながら次々とグータッチを交わした。記念撮影を求める有権者に囲まれると、一組一組丁寧に応じていた。

11期連続当選を目指す石原氏は党幹事長や環境相を歴任し、石原派の会長も務める。小選挙区制導入以来、約30年にわたり無敗を誇ってきたが、今回は公示直前に立憲民主党、共産党、れいわ新選組の3党が候補者を一本化したことで風向きが一変。石原陣営の幹部が「これまでで一番厳しい選挙」と語る通り、報道各社の終盤情勢調査では、立民新人の吉田晴美氏(49)との間でしのぎを削る展開となった。

「大変な激戦になったが、負けるわけにはいかない。人を大事にする政治にかじを切っていきたい」

平成29年の前回衆院選に続き2度目の挑戦となる吉田氏は午前10時ごろ、街頭演説でこう訴えた。「野党統一候補」としての出馬が正式に決まったのは公示4日前。スタッフ募集や選挙ビラの準備が「全然追いつかない」と陣営内から悲鳴があがったが、急ピッチで陣容を整え戦い抜いた。

演説後は「『期日前(投票)で入れてきたよ』という声を聞き、温かい声援が集まっているのを感じる」と手応えを口にすると、選挙カーに飛び乗り次の演説予定地へ向かった。

選挙戦を通じて、「第三極」として存在感を高めてきたのが日本維新の会新人の笠谷圭司氏(41)だ。29日に唯一の選挙カーが故障するというアクシデントに見舞われたため、最終日は候補者本人がスピーカーを肩にかけ、演説しながら選挙区を練り歩く〝桃太郎作戦〟を徹底した。

街頭では「自民は山積する課題に手を付けようとしない。だが、建設的な議論をしない他の野党にもこの国を任せるわけにはいかない」と批判した上で、「有事に強い日本をともに造りましょう」と行き交う人々に支持を呼びかけた。